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夢中になって走り回り、王宮では禁じられた木登りを試みる。そこそこ太い木を選び、猿の如くするする登っていく…自分の限界を知らず、禁じられた反動でどこまで登れるか挑戦しようと、負けん気を発揮してある程度まで登り…また落ちた。枝にかけていた足を滑って外し、手だけでは支えきれずに落ちたんだ。モンクレール
地面に叩き付けられる衝撃を覚悟した。だが俺は落ちる最中下から吹き上げる突風に体を煽られ、格段に少ない衝撃で足から着地できた。地に手を付き、驚きに跳ねた心臓を落ち着かせながら俺が顔をあげると…目の前にあいつがいた。 5歳の俺より背が高くて…まだ女装してたよな。顔も隠してない。 ヒースが口煩く入るなと言っていた森に、誰かいるなんて考えてもいなかった俺は目の前に現れたあいつを人だと思えず…風使いか何か、人では無いものだと判断した。浅はかな5歳児の発想なんてこんなもんだろ…。 お約束過ぎる古典的な手口だが、だからこそあり得なくて有効な手段だった。後ろから付いてきたヒースと護衛をまき、小さな体を活かしてちょこまか物陰や家具に潜んで追っ手を遣り過ごしてる。壺や隙間に入ってる俺は使用人の目すら欺き、屋敷の至る所に侵入した――今思えば領主と父に泳がされてた気がする。 でなければあんなに簡単に森へ入れはしなかっただろう。 モンクレールメンズヴェスト 出入口は屋敷と森の境界にある大門だと世間では認識されている。勿論守衛が常駐し、森とは別に結界が張られた石造りの大門。精緻な紋様が彫られ高垣や柵と連結され一体となり、成人男子20名がかりで押せばやっと開くのではと噂される。 「思い出せたか?昨日の一件。納得したなら起きろ。まだ陽は出てないが、いつヒースが来「腹枕をしてないだろう……まだ時間はある、寝ろ」 ポンポンと寝台を叩き、寝転ぶように指示を出す。昨日の記憶を思いだし、詳細を知ったアレクは理解した…犯人の思惑を。ご丁寧な犯行声明と共に苦言がびっしり綴られた手紙を読めば誰だって気付く…ツェリノアは昨日早朝の腹枕現場を水晶越しに視ていたらしい。会話は聞こえないが不穏な気配を察し、手紙に細工を仕込んだ。流石、腹枕阻止を誓う娘。 やれば出来るじゃありませんか…。ヒースが扉から顔を覗かせ、感心したような口ぶりで呟く。普段アレクを起こすのに一苦労する彼としては、やろうと思えば起きられるのに怠けるアレクの態度に苛立ったようだ。語調に不満げな響きを含む。 立ったまま思考に没頭していた覆面は、声をかけてきたヒースに向き直り歩み寄る。 モンクレール レディース ジャケット PR |
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茹だるような夏の終わりを思わせる、朝の清々しい風が窓から入り込んで蒲団の上でいつまでも目蕩んでいる政宗の髪を撫でてゆく。昨晩のアルコールはすっかり浄化されていたが、二日酔いの時と同じ、いつまでも寝ていたい気がしている。モンクレール
折角の休日だがこんな日は一日中、ゴロゴロダラダラしていたい。 政宗は、愛用のタオルケットに身体を巻きつけるようにして抱きつきながら、だらしの無い笑顔を浮かべている。 気持ちのいい倦怠感に身を委ね、政宗は再び眠りの淵に落ちていった。 どれ位目蕩んでいたのかは分からなかったが、枕もとの時計を手繰り寄せてわざわざ確認するのも面倒だった。閉じた目蓋から滲む陽の光を眩しく感じてい る。窓から流れ込む風はまだひんやりとして気持ちよかったが、背中に何か温かいものを感じて寝返りをうった。背中に寄り添った柔らかいものの正体が腕の中 に抱いていたタオルケットかと思いながら振り返る途中、微かに開いた目蓋の向こうに、遠くへ投げ出したタオルケットが見えた。抱いているうちに暑くなって 向こうへ投げ出したのだと理解する―――が。なら、背中にある温もりは何だろう、と思う。 そう言えば昔、隣に住む和泉姉弟はよく、不用心に開け放たれたままの玄関から勝手に上がりこんで家の中で遊んでいたっけ。 そう思い返せば、小学生だった双葉はよく、敷きっ放しの政宗の布団の中でマンガを読んでいた事を思い出す。今はもうすっかり大きくなって、高校生の分際 で生意気に彼女が出来た上にホテルに出入りまでしている双葉がこの部屋に来るなんて随分久しぶりだなと思いながら、もしかしたらその彼女の事で俺に何か相 談に来たのではないか、等とぼんやり思いながら政宗は寝返りを打った。 「ああ、なんだ、双葉かと思ったら若葉じゃねぇか。まさか姉弟だから似てるよね、なんていうのかな、雰囲気とか。あと、双葉もああ見えてメガネ外すと意外 といい男だったりするしね」と。一気に喋った政宗は生唾を飲み込むと、開いた目蓋を二三度瞬かせてから意味不明な言葉を叫んだ。 「え、あ、ちょ、な、何してんのお!?」 驚きのあまり反動で半身を起こした政宗が、目を見開いて蒲団の上に横になっている若葉を見下ろしている。 教室の中で椅子に座っているのなら何の不思議も無いいつも通りの若葉が、けれど今、政宗の煎餅蒲団の上で身体を横たえている。きちんと制服に身を包み、 結い上げた髪は整えられている。そのまま学校まで充分出かけられる仕度を整えた若葉はけれど、その身支度には凡そ一番似つかわしくない場所で身体を横たえ ていた。 「……な、なに、どうかしたの、何かの緊急事態か何か?」 半身を起こしたまま、目を瞬かせて必死に状況を飲み込もうとする政宗が尋ねるが、若葉は細い指先を口元に押し付けて「しーっ、静かに」と、言ったきり、睨むように政宗を見上げている。 「は?」 「なに、誰かに追われてるの?ヤクザか?それとも鬼ごっこか何か?け、警察ならちょっと助けられないかもしんないよね、つか、この状況じゃ俺が捕まるし ね、多分……って、え?違う?なら何だよ、全然分からないんですけど。っていうか、どうやって入ったの」と。言って困り果てた政宗を、若葉が白い掌をヒラ ヒラと動かして「おいでおいで」と誘う。 「……マジか」 ごくり、と喉仏を上下させて、短く呟いた政宗が若葉に向き直る。 「あ、でも、こういうのはまず気持ちを確かめ合ったりとか、取り合えずそういう事をする前にデートとか食事とかしてムードを盛り上げたりとか、ほら、意味 も無く夜景を見に行ったりとかさ、最初だから気合入れて奮発して高級ホテルに泊まったりとか、恥ずかしいから一泊旅行に託けたりとか……そういうの、あ の、オレは別にいいんだけど、女の子は気にするんじゃないの」 と、続ける政宗の胸座を若葉は掴むと、そのまま一気に政宗を蒲団の上に引き倒す。 「ちょ、え、待って……あ、いや、心の準備とかそんなんじゃないけどオレ昨日風呂に入って無……!」 と、驚いて目を瞬かせる政宗を蒲団に組み伏すと、若葉は政宗の口を掌で覆って強引に封じる。 「少し黙ってて。って言うか、鍵は昔から同じ隠し場所なのね、不用心過ぎて驚いたわ」 空手仕込みの寝技で政宗を組み伏した若葉が、上から覗き込むようにして政宗を睨みつけながら低い声で囁いた。 「なに勝手に盛り上がってんのよ、人の話をちゃんと聞いて」 政宗が静かになったのを見計らって、若葉は政宗から離れて再び蒲団の上に横になった。政宗はまた半身を起こそうとしたが、若葉に襟元を掴まれてそのまま並ぶようにして身体を横たえる。 「……で、どんな話なんですか」 シングルの蒲団の上に若い男女が二人で並んで身体を横たえている。どう考えても可笑しな状況だが、肩が触れ合うくらいに身体を寄せているとは言え、向かい合って見詰め合うどころか、それぞれに天井を見上げていて色気も何もあったものではない。 「ほら、この前の、双葉の彼女騒動があったでしょ」 「ああ、あれは凄かったよね、お前のブラコンぶりには正直引いちゃったよ、いや、マジで」 「そんなのは別にどうでもいいのよ、問題はソコじゃなくて」 「え、他に何か問題が?」 「ほら、ワタシだけあんなに双葉の心配して口惜しいじゃない」 「……はぁ?」 「だからね、ワタシばっかり心配してあげてるのが口惜しいのよ!」 「……もしもし、何か悪いものでも食べましたか」 「……」 「う、嘘です、軽い冗談です、脇腹掴んで捻るのは止めてください、すいませんでした……で?」 「だから、双葉にも少しは心配させてやらなきゃって」 「……?」 「私ね、今日はこれから隣の政宗の所で試験勉強するわよって双葉を誘ってあるの」 「ふざけんな、俺は休みの日は普通の男の子に戻ってるんだぞ、勉強なんかするか」 「そんなの知ってるわよ、だからそれはあくまでも口実ってだけ」 「分かってんならいいんだけど、口実って何だよ?」 「だからね、双葉が『こんにちわ』って顔出したら”どっきりびっくり作戦”を決行することにしたの」 「……はい?」 「だから、双葉が『よろしくお願いしまうす』ってドアを開けたら、政宗の蒲団に私が寝てるっていう」 「ふーん」 「何他人事みたいな相槌打ってんのよ、政宗も共犯者なんだからもっとやる気を出して貰わなきゃ困るわ」 「え、でも、やる気ならさっき出しちゃっ……あ、だから脇腹は止めろって本気で痛いから、赤くなっちゃってるから」 「もうっ、愚図愚図してる暇は無いのよ、多分もう直ぐ来ると思うから」 「だからなに、双葉をびっくりさせればいいのか?」 「びっくりっていうか、まぁ、正確に言えば心配させればいいの」 「心配ねぇ……」 「あら、だから政宗を選んだのよ。小さい頃から知ってる幼馴染でダメ男、しかも今は先生と生徒という禁断の関係なんだもん、お堅い双葉なら頭ごなしに否定すると思うのよね」 「……」 「その禁断効果を狙う為にわざわざ休日に制服着てきたんだよ?きっと効果テキメン、間違いなしだわ」 「……ちぇっ」 小さく舌打ちをして、政宗は見飽きた天井から視線を移して何の気も無しに傍らの若葉を振り返る。若葉はまだ天井を見上げていたが、政宗の視線に気づいたのか、首を少しだけ動かして振り返った。 目が合うと、何かに導かれるようにして政宗は身体を若葉の方へと横向けた。 「……でも、服を着たまんまじゃどうかな、あんまり意味が無いんじゃないか?」 と、政宗は言うが早いか着ていたTシャツに手をかけて脱ぐと上半身を晒す。突然のことに若葉は「え」とだけ声を上げて顔を逸らしたが、直ぐに思いなおすとおずおずと政宗を振り返る。 「ど、どうしたの、急に?」 「どうしたもこうしたも、双葉に確実にダメージを与えたいんだろ?だったらこのままじゃ甘いね。だって自分の姉が隣のダメ教師と出来てるなんて思いたくねぇもん、必死に否定するだろうから『服着てるから嘘じゃないですか』って直ぐに見破っちゃうよ?」 「……そう言われてみればそんな気も……」 「だろ?だから若葉も脱いでおいた方がいいんじゃねぇのか」 「そ、それは無理よ……」 「なんだよ、双葉を心配させてぇんだろ、やる気を出せって言って気合を入れたのはそっちじゃねーか」 「だ、だったら少しだけブラウスのボタンを外しておくってくらいで……」 「はぁ?……まぁチラリズムってのも究極のエロスだからな、裸より服着てる時に見えるチラチラが堪んないって言うしね、ならそれでいいけど、でもなら胸元を少し開いとけよ、”乱れちゃった”みたいなカンジでよー」 そ、そうなの、と小さく呟いて、若葉はブラウスのボタンを襟元から2,3個外す。ボタンを外しただけでじっとしている若葉に、政宗は「だから、少し乱しておかないと」と、言って少しだけ、胸元を開いた。 「……で、体勢はどうする」 立てた肘に頭を乗せ、若葉を見下ろすように見詰める政宗が至極真面目な様子で尋ねる。 「肩を並べて天井を見上げてたんじゃ仲良しの昼寝みたいじゃねーか、『子供の頃みたいで懐かしいですね』って双葉まで並んで寝ちまうぞ?そうじゃねーだろ、双葉にショックを与える為にはもっとディープな関係を演出しなきゃダメだろう?」 「……そ、そうね」 「まぁ一番は『お取り込み中です』ってカンジの、もうなんつーの、こう……」 「いい、説明しなくていい、聞きたくない!べ、別にソコまでしなくてもいいのよ、別にワタシは……」 「あ、なに、巻き込んでやる気にさせておいてそれはないんじゃないの」 「そ、それはそうだけど」 「オレも別にそこまでしようって言ってるんじゃねーのよ、ただ、そういう雰囲気を匂わせる為にも、こう、肩を並べて寝てるんじゃなくて、抱き合って寝てるとか、若葉を俺が組み伏してるとかだな……」 例えばこんな風に、と言って腕を回した政宗が、若葉を引き寄せる。途端に若葉が平手で政宗の頬を打つと、腕を突っ張って胸を押し返し、抱き寄せられるのを拒んだ。 「……こんなカップルが何処に居るんですか」 「優しく抱き寄せる彼氏をビンタって何、どんなプレイですか」 と、続けて不貞腐れる政宗が若葉から手を離す。 「人が折角協力してやってんのに」 と、頬を押さえながら呟く政宗を、若葉は罰が悪そうに横目で見ている。 「ご、ゴメンなさい、つい……」 「ゴメンじゃねーよ、でもならアレだな、横がイヤなら上下にするか。若葉が下で俺が上、これは絵的にもかなりのショックだと思うよね、だって何か本番に似 て……って、もう殴るのは止めようよね、ラブラブなのに俺のほっぺが赤く腫れてたら可笑しいでしょ、変な趣味を疑われるから」 「……じゃあワタシは黙って寝てるだけでいいのね?」 「あー、そうそう、そんでオレが若葉を組み伏してるっていう構図は結構キツイと思うよね」 「……そう?」 「そーだよ、だって本番みたいじゃん……って痛ってー!だから殴るなって言ってんじゃねーか、あーあ、俺のほっぺが真っ赤だよ、あ、やばいよ、鼻血まで出ちゃったよ、なんだか凄く厭らしい絵になっちゃうよ、だって上になってる政宗くんが鼻血って……あー」 「もう、鼻にティッシュでも詰めておいてよ、私の顔に垂らさないで、絶対よ、垂れたら殴るから」 「いやいや、誰のせいで鼻血が出てるんですか、なのにまた殴るってどうよ?」 「どうでもいいじゃない、そんなの。それよりもう直ぐ双葉が来るんじゃないかしら」 「どうでも良くねーけどそうかもな、そろそろ来る頃かもしんねーな」 「なら、このまま待てばいいのね」 「うん、まぁ、そうなんだけど……」 「……そうなんだけど?」 「念のためにキスするフリもしとくか、念には念を入れて」 「とか何とか言って、本当にキスするつもりじゃないでしょーね、厭らしい」 「ば、ばか、そんなんじゃねーっつーの、どれだけ自意識過剰なんだよ、フリだよフリ、ドラマとかでよくやってるだろーが」 「とか何とか言っちゃって」 「とか何とかじゃねーよ、こう、角度とかで本当にキスしてるみたいに見えるヤツ、あるだろ?双葉がそこのドアを開けたらそんな風に見えるようにしとくの。驚くし、もしかしたら双葉、ショックで倒れるかも」 「……あそこのドアからキスしてるように見える角度なんて分かるの?」 「んー……多分」 お邪魔します、という声がドア越しに聞こえてくる。 休みの日にありがとうございます、と言いながらドアを開いた双葉の目に、政宗に組み伏された若葉が飛び込んでくる。 驚きに身体が凍りつき、逃げ出したくても逃げられないでいる双葉の目は、釘で打たれてしまったかのように二人を捉えて離さない。 若葉の乱れた胸元が大きく膨らんで潰れる。重なり合う唇がそれに合わせるようにしてゆっくりと離されると途端に、若葉の平手が政宗の頬を打って大きな音を立てた。 「何が”フリ”よ、嘘つきっ」 憤る若葉が勢いよく布団から立ち上がると、驚いて固まっている双葉の横を早足で通り抜ける。 「双葉はもっと早く来なさい、来るのが遅いのよっ」 と、耳まで真っ赤に染めた姉が吐き捨てた言葉を双葉はぼうっと耳に残しながら、視線の先で頬を押さえた政宗の鼻から滴り落ちた赤い血を眺めている。 「――若葉の作戦は取り合えず成功みたいだな」 と。言って政宗は口尻を上げたが、打たれた頬が痛くて直ぐに顔を歪めた。 モンクレール ダウン |
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幼い少女がひとり、森の中を走っていた。モンクレール
地面に張り出した大きな根を飛び越え、甘い蜜を出す薄紫の花の下をくぐり抜ける。 柔らかな下草に一面覆われた少し開けた場所にたどり着くと、息が切れたのかぺたりと座り込んだ。 年の頃は5~6歳といったところだろうか。白い、頭からすっぽり被る形をした袖なしのワンピースから伸びた手足は白く、子供らしいまろみを帯びている。 柔らかな波を描いて顔を縁取る髪は肩のすぐ下ほどの長さで、薄い銀色の輝きは日の光を浴びてあちこちに虹色の煌きを弾かせていた。 初めて来た場所なのか、大きな翠色の瞳に好奇心をいっぱいに湛 モンクレール ダウン |
